スタービレ館

スタービレ館はマルティーナ・フランカ歴史的市街区内にある貴族のすばらしい館の内の1つです。1700年代のマルティーナ・フランカで特に重要なファミリー、スタービレ家を代表する存在であり、とりわけ、聖堂翼廊に置かれた、柱に縛り付けられたキリスト像の祭壇の注文主でもある、ヴェナーフロ・フランチェスコ・サヴェーリオ・スタービレ司教(1754~1788)の遺産の代表的なものです。

教会の背後に位置し、常に密接な関係にあるこの建物は、19世紀に数度に渡って行われた改修工事にもかかわらず、マルティーナ・フランカのロココ様式の典型的要素を今に残しています。

建物正面は縦に伸びる2つのロッジア(片側に壁がない屋根付きの柱廊)の重なりが際立った印象を与えます。内、下にある、大きな方のロッジアは錬鉄製で装飾がふんだんに施された欄干と、ドーム型ヴォールトで飾り立てられ、しっくい仕上げで直線と曲線とから成るコーニスが特徴的です。

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各階の境を示す外壁の境界線である、非常に突き出たコーニスは、建物正面に見られるオープンスペースを2つに横に分けています。

その中央にある、スタービレ家の紋章が目に留まります:中心に伸びた柱の脇に2匹のライオン、その上に2輪のユリ、そして柱の頂点に尾の付いた星、というデザインです。

上部のロッジアは下のものより小さく、木の天井と、ヴォールト部分の見どころである2人の天使の顔で装飾されたコーニスが特徴的です。

正面から見ると、楕円形の窓が左右対称に配されていることがわかります。窓には垂直方向のものと水平方向のものがあり(一部は壁に塗りこめられています)、出入り口扉の非常に簡素なスタイルとは反対に、1700年代の様式の美しいコーニスで飾られています。

現在の建物の落ち着いた雰囲気は「貴族の住居」「宮殿様の住居」の改修によってもたらされたものです。滑らかな浮き出し飾りのある切り石積みが見られる1階の壁は、オーナーの居住階への入り口に通じるオリジナルの、玄関と中庭との間の広間、階段を閉じた空間にするために19世紀に造られました。

オーナーの居住階へは、ゆったりとした渦巻き模様で大きな耳のような装飾が特徴的な扉があり、当時の習慣で、外路面よりも高い位置に据えられています。

内部は、広い部屋部屋の間に、植物や動物モチーフのテンペラ画の装飾、さらには貴重なスタッコ細工、神話や聖書をテーマとした18世紀に制作された一連の壁画、1808年に作られた、調理用暖炉付きのすばらしいキッチン等、オリジナルの枠組みが多く保存されています。

1970~1975年まで住宅として主に使われ続け、1階に並んで造られた小さな家々、2階が教区の活動拠点でした。

2001年、聖堂美術館としてこの館を使用することが決まり、建築家のジャンフランコ・アクアーロとエンジニアのジョヴァンニ・ナスティによる修復プロジェクト、経済財政省、プーリア州、並びに欧州経済共同体からの交付金のおかげで、ついに、再び、すばらしい往時の雰囲気を楽しむことができるようになったのです。